図はルクレール目線のGAPチャートになります。
(ルクレールがTime0のライン、マイナス側にいるドライバーは前方に、
プラス側にいるドライバーは後方にいることになります。)
予選8位で後方からスタートとなったルクレールについて
見ていきます。
赤旗後の2回目のスタートでハミルトンをかわして7位で
レース序盤を展開。
前にいる各ドライバーがピットする中でもそのまま
ステイアウトを選択。
アンダーカットが強力だった鈴鹿だが、タイヤを履き替えた
ドライバーに徐々にタイムは縮められるもののその傾きは
それほど大きくなくタイヤマネージメントの優位性が
見て取れる(図a)
26週目にこのレール唯一のピットインを行う
この時、ノリスも同時に2回目のピットインを行う。
ノリスに前に出られないようにこのタイミングで
合わせたのだとしたら見事。(図b)
タイヤを履き替えた後はアロンソやピアストリとのギャップを
急激に縮めていく。(図c)
これは先ほどの(図a)の傾きより大きく、フェラーリのレースペース
の良さとタイヤマネージメントでの優位性を表しているように見える。
ノリス以外の2ストップ勢のタイヤ交換後、レースペースで優る
レッドブルや同じフェラーリのサインツにはかわされるものの
アロンソとの差は縮まらず、逆にアロンソが後ろを抑える展開に。
(図d)
同時ピットインをしたノリスには交わされることなく前をキープ
(図e)
予選8位から決勝4位にジャンプアップ。
デグラデーションが大きかったレースだが
車の速さとタイヤの優しさを見事に生かしたよい戦略だったと思う。